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予算管理の発するメッセージ性

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今日は中秋の名月、お月見ですが都内は残念な天気で楽しめそうにありません。でも今年は満月が1日ずれて明日らしいので1日遅れのお月見に希望を見出している夢想家の山口です。

ここ数回はコミュニケーションが軸になってるので、その流れを引き継いで行きたいと思います。

どの会社でもやっているであろう予算管理に関して、それが持つメッセージ性、伝わり方の危うさについて説明します。

会社に入って仕事をしていると、売上高予算や経費予算、プロジェクト予算など日頃から予算を意識する(させられる)ことは当然のことでしょう。

ただ予算管理の必要性に理解はしつつも、そういった数値で管理される事に何か納得いかない、予算が邪魔と感じることが多いのも事実です。

私自身ある会社で会計の専門家として予算管理に携わっていましたが、何と不毛な活動なんだと感じることが多々ありました。

その経験から今は「脱予算経営」の考え方を取り入れながら、もっといい目標管理の仕組みを会社ごとに設計して導入するサポートをしています。

予算管理に対して漠然と感じる納得感の無さ、その原因は多々ありますが、予算の持つ根本的な危うさを簡単に説明します。

といっても非常にシンプルな理由です。予算は売上高や経費といった「カネ」を管理する仕組みです。そのため予算管理をすると自然と「カネ」が大事というメッセージ性が付きまとう事になります。

最近では株主重視の考え方を受けて四半期決算の開示が必要にもなり、結果として少なくとも月次で予実分析が行われ、結果は社内に伝えられ、改善ポイントがあれば同時にアクションを促されます。

要は毎月毎月、意図してかせざるか別にして「わが社はカネを稼ぐことを大事にしてますよー」というメッセージを発している事になります。

会社の目的として「カネを稼ぐ」と明言していればこれでも問題ありません。そんな会社が永続するかは別ですが。。。

一般的には社是や経営理念という形で、会社の存在意義を別の設定しています。

「○○を通して、××に貢献する」といった言葉です。そこでは理想の姿を高らかに謳いあげています。が、それに直結する目標を立てて、予算と同様に毎月達成状況を評価し、社内に伝える事が出来ているでしょうか?

それが出来ていないとすると「カネが大事」というメッセージばかりが届いてしまいます。

これが納得感がない理由です。これが続くと綺麗ごとを言いながら結局カネかと思ってしまいますよね。そしてこれを放置し、組織が白けてしまうと大変です。

でもしょうがないじゃん。金が大事というのも分かるし。

という声も聞こえてきそうです。

ちょこっと妄想に付き合ってください。
子供時代にもし両親から「嘘やひきょうな事はダメだよ」と教えられていたとします。
でも学年が進んで勉強の事を強く言われるようになり、テストの結果に両親が一喜一憂するようになったらどうでしょうか?
万が一、友達と協力してカンニングをすることで今までの最高点を出すことができ、その表面的な結果だけを見て無条件に両親が褒めたたえたらどうでしょう?

私なら幻滅します。以後暫くは話をする気にもならないでしょう。

 

もちろん会社経営に金は必要です。ヒトで例えれば酸素のような存在です。もし無くなってしまうと死んでしまうので無頓着ではダメです。でも酸素を摂取するために生きているという人がいるでしょうか?

私が言いたいのは偏ったメッセージばかり発信していては危ないという事です。

酸素酸素酸素酸素って、生きてても面白くありません。

経営者や予算管理をしている人にとっては、予算と実績を毎月管理していくことは普通の事を普通にやっているだけですが、その危ないメッセージ性を少し意識して頂けたら幸いです。

伝わり方というのは本当に難しいです。

最近知ったのですが、仏教は宗教というのが日本では当たり前ですが、これは北方仏教の話のようです。南方仏教のテーラワーダでは仏陀の教えは、宗教というよりも悟りを開くための技術論という捉え方もあるようです。

仏陀の言葉でさえ色んな捉え方で伝わっている。どっちが正しいのか分かりませんが、仏陀でさえ意図しない伝わり方をしちゃってるんだろうなと考えると面白いですね。

夢想家山口でした。

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