こんにちは!瀬田です。
前回、マラソン大会はランナーの参加費用より多くの運営費用がかかっていて、ランナーの参加費用だけではとてもトントンにならないということを書きました。
そこで、どのようにしてトントンにしているのか、ネットで決算書を閲覧できたマラソン大会について調べてみることにしました。
【大会の決算状況】
(表1)
(出典:
http://www.kansa.metro.tokyo.jp/PDF/03zaien/27zaien/27zaien218.pdf
https://i-c-m.jp/wp-content/uploads/2017/09/statement2017.pdf
http://www.yokohamamarathon.jp/2017/news/wp-content/uploads/2018/02/20180207-1.pdf
全体で見ると、ちょっと分かりづらいので、条件を均一にするため、上記の金額をフルマラソンの参加人数で割り一人当たりの金額で算定しました。
上記表を見るとわかるように、東京マラソンが安い理由はその協賛金により収益の大部分を賄えていることによります。
具体的には、東京マラソンは、参加者1人当たり企業から47,634円、自治体から4,087円の補助金を負担してもらった上で、参加費用(10,800円)を払って走っていることになります。
なので参加費用を安く抑えることができています。
ちなみに、3つ比較した結果(サンプル少ないですが)、マラソン大会は2つのタイプに別れると推測されます。イベント型マラソン、自主自律型マラソンです。それぞれその特徴を説明します。
【イベント型マラソン:東京マラソン・横浜マラソン】
収益全体に占める参加費用の割合は少なく、協賛金によって成立している形です。
都心の中心を走るみんなが注目するビッグイベントとなるため、交通規制の連絡や広報活動に大きく費用がかかり、会場費用等も高価になり、参加費用だけで賄うことは到底できず、イベントに対するスポンサーを募って協賛金で大会費用の大部分を負担してもらう。
仮に東京マラソンを現状のままで全費用をフルマラソンのランナーが走るとすると一人当たり7万円弱となります。
デメリットとしては広告宣伝や交通規制が多額になることから参加費用が高くなる傾向があります。
運営側としても、協賛金がなくなると自治体からの助成金と参加費用だけで賄わなければならなくなり、その結果、参加費用を値上げすると、参加者が減少して更に魅力が薄れるという悪循環に陥る恐れがあります。
例えば、さいたま国際マラソンはスポンサーが少ないことから、さいたま市が多く負担しており、それでも足りないことから参加費用も15,000円と高めに変更されたようです。その結果がどうかわかりませんが、昨年は参加者が定員に満たなかったようです(今年も7月5日時点で絶賛募集中です)。
【板橋シティマラソン:自主自律型】
河川敷の板橋シティマラソンは、広報イベントや安全対策費も必要最低限にすることで、参加費用だけである程度の採算を取ろうとしているように見受けられます。
そして、その目的を達成するために、交通量の少ない場所でフラットなコースになっているのかなと考えられます。
こちらのマラソン大会はイベント的要素が少なく、金銭的にもローリスクで運営しようという趣旨に見受けられるので、ベテランランナーさんの記録会としては面白いと思います。ただし、イベント的な要素を求めてフルマラソンを参加するといった場合には物足りないかもしれません。
【今年の出走レースについて】
上記のように分析した結果、東京マラソンが最もお買い得だと思うので、東京マラソンに申し込もうと考えています。
ただし、抽選倍率が高いので多分参加できない気がします。そのため、東京マラソンと開催時期が異なるさいたま国際マラソンに出たいと思います。
これは分析結果とは関係なくさいたま市に長く住んでいたのでさいたま国際マラソンを応援したいという思いです。
なお、昨年出たマラソン大会の中では、青梅マラソンが、沿道の応援も優しく、本当に町を上げて応援をしている感じでとても気持ち良く走れました(途中沿道の応援の方にいろんなお菓子ももらえたりします。あと、和太鼓の応援とかもあります!)。
もし今年どのマラソン大会にしようか悩んでいる方がいたら、値段も7,000円でお買い得ですので、青梅マラソンも検討対象に入れてもらえると良いと思います(決算状況は分かりませんが、、)。
(表1算定上の補足)
なお、横浜マラソンの参加費と協賛金の合計でしか表示されなかったため、参加費用と協賛金のそれぞれの金額が分かりませんでした。そのため、参加費用を参加費用は1人当たり参加費用*フルマラソン参加人数で簡便的に算定しています。
また、横浜マラソンは2017年、台風により開催されなかったようです。