珍しくゆっくりテレビを見ると面白い言葉に出会えました「ちょうちん経営」
聞いた瞬間は赤ちょうちんしか思いつかなかったが、それを使うのは京都の八つ橋を売る会社。
老舗企業ならではの経営哲学を表したことのようで、自分なりに少し考えてみました。
ちょうちんはご存知の通りお盆に飾る蝋燭を灯すやつです。
意味合いとしては伸び縮みする、できるという意図で使っていました。と思います。
番組で取り上げられていた企業の社長の言わんとしているのは、
一.余裕を常に持っておく事。
一.取引先を大事にし、そのためには多少の経済合理性は捨ててもいい。
という2つです。
ちょうちん経営の他にも、新商品を考える際にその商品が100年後も受け入れられるかという判断軸も言っておられました。
京都で300年以上続く会社で、その歴史の中で培われてきた哲学。
その基本姿勢は大好きです。
余裕を持つというのは、経営が少し厳しくなってもしっかりした製品を届けることを続けながらも、控えようと思えばいつでもストップできる経費を持っておくことで吸収できること。そんなことが出来るのは、それだけの強みを持っている表れ(粗利を取れること)ですし、それを維持し続ける自信と覚悟とも言えます。
二つ目と100年後云々というのは、サスティナビリティを常に意識していることでしょう。業種や企業ごとで見た場合、浮き沈みというのはどうしても出てきます。その中で持ちつ持たれつの関係を作るというか、出来るだけ自分たちが恩を売っておくことで精神的に上に立つ戦略は、驕りさえ出なければ何かのときに助けてもらえる保険にもなります。
長い学習の中で出来上がった作り上げられた考え方は凄いなと、素直に関心するとともに、大きく積上げた無形資産を羨ましく思いました。
ただ少し気になったのは2点。
余裕のほどをしっかり把握できるようになっているのか。ここを見誤っては目も当てられません。企業にとって酸素に等しいお金が必要分確保できないと大問題です。
取引先と関係を作るのはいいですが、もし相手がダメになったら。例えば経営者が変わって品質が保てないとか、最悪つぶれてしまうといったことが起きても大丈夫な予防線はあるのか。
でもそんなのは表に出さないだけで、実際には熟慮しているんだろうなという風格を感じました。
もう一つ凄かったのは、ニキニキという新商品。社長の娘の専務が取り組んだ意欲作。
長くなるので詳細は割愛しますが、伝統と革新の融合です。老舗といえど攻めも必要、でも守るべきものもある。というバランスが素晴らしい製品で、今度京都言ったら絶対に食べようと決心しました。
少しずつちょうちんを大きくしてもらって、今の専務が20年、30年後にどんな言葉で経営哲学を語るのか楽しみです。
おしまい。