ある会社でのやり取りを想像してみて下さい。
-部下からの報告内容-
12月決算まで残り2か月ですが、年間で70億円の未達になる見通し。10月までに20億
円の未達を抱えており、今後2か月でカバーする策を営業部と検討しましたが、そも
そもチャレンジを織り込んだ11月、12月の予算に届くことも難しい状況にあります。
-社長からの指示-
売上高は必達。できないという報告は不要なので、どうやって達成するかの案を出
せ。
( 山口揚平公認会計士 / 「企業研究会」への投稿記事からの抜粋 )
企業規模の違いはあれ、サラリーマン・サラリーウーマンが日々において、月次、四
半期、半期、そして決算月において、このような場面に直面することがあると思いま
す。
この社長の言葉は、組織単位でも部門の部長や課長等が指示することも大差ありませ
ん。
リーダーから発せられる言葉で、その人の人物像が理解できます。
“牢名主型”
リーダーの中で、このタイプが一番多いように思います。
会議等において、部下に有無を言わさず、命令だけを通達する。それも達成不可能な
ことが分かっていながら、自分は関係ないという雰囲気がある。
部下は黙って従っているが、リーダーが後ろを向けば舌を出す。そのリーダーがピン
チの時は、部下は誰も付いてこない。
“お山の大将型”
自分には人望があり、部下も自分を信頼してくれているという勘違いがあり、会議等
でも一番発言が多く、声もデカい。
強いものには、とことん弱く、弱いものには、とことん強い。出世欲が強く世渡り上
手だが、守勢に弱い。
“おっちょこちょい型”
何事も仕切りたがるが、人気も実力もない。
リーダーになりたいだけで他人への配慮に欠ける。
目標に向かって仲間との一体感に酔い、結果については無頓着だが、本人はそれに気
が付かない。
“ガキ大将型”
抱擁力があり、一緒にいる部下はとにかく楽しい。
一緒に飲み食いしても、安いもので飛びっきり美味しく感じる。
ただ、緻密な戦略戦術に弱く、構築力に欠ける。
“高僧型”
実力は内に秘めて、決して出しゃばらない。
部下からの発言を真摯に受け止め、助言を求められれば的確な答えを出す。
状況が不利な状態になって、初めて組織をまとめて勝ち戦にもっていく。
“もののふ型”
具体的な指示は一切せず、全てを部下に任せる。
全ての責任を自分が取るという覚悟を内に秘めて、終始無言を貫く。
部下もそれを良く知っているので、全身全霊をもって業務に打ち込む。
さて
冒頭の-社長からの指示-ですが
高等教育を受け、社会経験も豊富な方の発言とは思えません。
この程度の指示ならば、小学校低学年の子供でも言えます。
この社長が高額の報酬を得ているとすると、低賃金で働く従業員が哀れです。
現在、組織のリーダー等の方々、将来そうなる予定の方々は、どのタイプでしょう
か。
古来より「人のふり見て、我がふり直せ」といいますが・・・