ブログをご覧いただいている皆様、いつも誠にありがとうございます。今回は私網野が担当させていただきます。
いやー、早いもので、2018年も残すところあと一か月半ですね。一年経つのって、本当に早いですね。今年も色々なことがたくさんありましたね。皆様の2018年の楽しい思い出は何でしょうか?
私の2018年の楽しかった思い出は、夏に幕張メッセで開催された「ドラゴンクエスト 大魔王ゾーマからの脱出」というリアル脱出ゲームに家族で参加したことです。家族でパーティーを組み、たくさんの謎解きをクリアし、最後にはあの大魔王ゾーマを倒すことができました!小4の息子以上にキャーキャー喜んだことを覚えています。
ブログの出だしからいきなり横道にそれたように見えますが、実はそれていません(きっぱり!笑)。なぜこのようなことを書いたかと申しますと、前回のブログで山口さんが「社員が白けてしまった会社」について書いているのを読んで、社員が白けてしまう原因について自分なりに考えてみようと思ったからです。
思えば私も従業員として監査法人に勤めていたときは、はっきり言って白けておりました。
他ではできない色々な経験をさせていただき、職場の上司のありがたいお話も拝聴でき、さらには毎月お金までもらえていたにもかかわらず、退職する頃になると完璧に白けておりました。
一方、上記のリアル脱出ゲームにわざわざお金を払って参加した私は、たまの休日なのに難解な謎解きに苦悩し、担当の職業が旅芸人になってしまったがゆえに観客の前で一発芸をやらされ、ゾーマの必殺技「ビッグバン」でパーティーを全滅させられ、再チャレンジするための復活料金を追加で支払い、やっとのことでゾーマを倒すことができたのです。このように様々な面倒や出費が発生したにもかかわらず私はとても充実しており、白けてはいなかったのです。
「ゲームで遊んでいるのだから楽しいに決まっているだろう」というご意見も当然あるかとは思いますが、私の見解は少し違います。私が充実していたのは「すべて私が自発的に選択して行動したから」なのだと考えます。
私は決して安くない参加費用を払い、ゾーマに倒され、そして追加料金を払いました(トホホ)。
しかしそこにはやらされている感は全くなく、私は謎の使命感に燃え、自発的にゾーマに立ち向かっていったのです。
私は現在独立開業し、個人事業主として仕事をしています。同じ個人事業主の方ならばご理解いただけると思うのですが、個人事業主というのは自分一人でリスク(責任)を負いながらリスク(チャンス)に賭け、得られたリターンを自分の糧にして更なるチャレンジを繰り返していく存在です。すべてを自分が判断して自発的に行動していくのであり、そこにやらされ感は全くありません。
会社の経営者の方にもこの感覚は分かっていただけると思います。しかし会社という組織に属し、上司の承認なしでは仕事を先に進めることは出来ず、自分の行った仕事と自分に還元されるリターンが直結していない「従業員」という立場からは、仕事を能動的に「している」というよりも、受動的に「やらされている」という感覚をいだいてしまいがちです。そしてこの「やらされている」感覚こそが山口さんが述べている「白け」を生む原因なのだと私は思っています。
会社内部から白けを払しょくし、活気あふれる会社にするためには、従業員の「働かされ感」を取り除き、「働いている」という実感を取り戻してあげる必要があります。そしてそのための仕組みを社内に用意するのは、会社のトップである社長さん、あなたの仕事です。もし何の対策も取らずに、ただただ「うちの社員はみな受け身で指示待ち人間ばかりだ・・」と愚痴っているばかりでしたら、誠に失礼ながら、心の底から猛反省していただきたいと思います。
では実際にどのような仕組みを導入すべきか?という点ですが、これこそ十人十色ならぬ、十社十色であり、全ての会社にとって万能な方策というものはないと思います。しかし、私が考える対応策の一例といたしましては、
・会社のミッションや会社の事業について、誇りを持ってもらうために、社長が一生懸命、口が酸っぱくなるまで従業員に語り掛ける(社是を皆で復唱するだけではダメです)。
・社長と従業員がともに長い時間をかけて自己開示を行い、お互いのことを理解し好きになれる機会を作る(我が王子経営研究会の尊敬している社長様が実践している施策です)。
・従業員一人一人に合った、様々な勤務形態を用意してあげる(グループウェア大手のサイボウズさんに至っては、100人いれば100通りの働き方を実現しているそうです)。
・どんな小さなプロジェクトでも良いので、新入社員にプロジェクトリーダーになってもらい、当事者意識が育つようにする。
・会社の求める業務の水準や達成すべき課題等についてできる限り細かく明文化し、それを達成した都度、全社的に称賛してあげる(わが王子経営研究会の重鎮の小島先生が深い知見をお持ちです)。
・上記一連の施策を、良質なコミュニケーションを用いて推進していく専門家(Chief Communication Officer、略してCCO)を社内に配属する。
などがあり、これらを組み合わせて導入することにより、従業員が自社及び自社の社員を好きになり、自ら目標を設定し、自発的に仕事を回していくためのスタートが切れると思います。
「働き方改革」が提唱されて一定の時間が経っていますが、まだ残業時間云々の議論に終始しており、真の働き方改革に向けた議論はまだ行われていないように思えます。では真の働き方改革とは何か、それは従業員が自発的に働きたくなるための改革であり、全ての従業員が、働くことに対する真の意味を取り戻すための改革です。そのために必須なのは「やらされ感」を払しょくするための各種施策の実行であり、そしてこれが山口さんからの問いかけ(社内の白けを防止するためには)に対する私の答えにもなると考えます。
以上、長くなってしまいましたが、最後までお読みいただき、誠にありがとうございました(^^)